F露出について

 撮影時の露出は、どれくらいの光の量を、どのくらいの時間フィルムに当てるかで決定されます。このとき、どれくらいの光の量かを決めるのはレンズの絞りの役割で、どのくらいの時間かの調節はシャッター速度の役割となります。

<絞りとシャッター速度の関係>
 レンズの絞り値はF4、F5.6、F8というように変化してゆくが、隣り合う数値はそれぞれ2倍、あるいは1/2の光量となります。つまりF4はF5.6の2倍の光量、F8はF5.6の1/2の光量となります。また、シャッター速度は1/60秒、1/125秒、1/250秒と変化してゆき、その効果は絞りと同様です。

 したがって、絞り2段分はシャッター速度2段分ということになり、同じ光量なら絞りを2段分開くとシャッター速度は2段早くなり、絞りを2段絞り込むとシャッター速度は2段遅くなります。たとえば、F2.8・1/500秒、F5.6・1/125秒、F11・1/30秒は、絞りとシャッター速度の組み合わせは異なるが、光量はすべて同じとなります。


<EV12の場合>
           


<露出値(EV値)>
 EVとは、「F1、1秒」の時の露光量をEV0と定め、その量が1/2になる毎に1ずつ増えると定めた単位のことです。

 先ほどのF2.8・1/500秒、F5.6・1/125秒、F11・1/30秒という組み合わせは全てEV値が12で同じとなります。つまり、同じ条件下であれば、同じ明るさの写真に仕上がるということです。ちなみに、絞り値は規則性がないように思われるかも知れませんが、√2≒1.4の倍数となっています。


    EV=log2(A2/T)

     A:Fナンバー(絞り値)    
     T:シャッター速度(実測値)

EV値
1
EV12
EV12
EV値
EV12
絞り値(F値)



<適正露出について>適正露出とは@適度な明るさの写真が撮れるように、色や明るさを忠実に再現するための露出と、A撮影者の作画意図に合った露出を指す場合があります。
基本的には、@をマスターした上で、作品づくりをする段階でAを意識していくこととなります。

まずは、@適度な明るさの写真が撮れるように、色や明るさを忠実に再現するための露出について説明します。
 
 例えば、雪景色のように被写体が白いときは、反射率が高いためカメラは実際以上に明るいと判断し、仕上がりは暗く(アンダー)になってしまいます。反対に被写体が黒ければ、カメラは実際以上に暗いと判断して、仕上がりは明るく(オーバー)になってしまいます。

 このため、白い被写体を撮るときはカメラが示した露出値よりも、明るくなるように補正する必要があるので「プラス補正」をします。逆に、黒い被写体を撮るには、暗くなるように補正する必要があるので「マイナス補正」をします。
 
 慣れるまでは、「プラス補正」するべきか、「マイナス補正」するべきか迷うと思いますが、白い=プラス補正、黒い=マイナス補正と覚えて下さい。
初めのうちは、どの程度補正すればよいのか判断はつきにくいはずですので、プラスマイナス1段程度の段階的な露出補正をすると失敗が少なくなります。カメラによっては、露出を数段ずつズラして自動的に撮影出来る(オートブラケット)機能が組み込まれているものもありますので、自分の使いやすいように設定して下さい。

次に、A撮影者の作画意図に合った露出について説明します。

 フィルムには明るさを再現出来る階調の限度があり、あるもの全てをそのまま表現出来ない。再現可能領域(ラチチュード)と呼ばれ、カラーネガフィルムで8段階、リバーサルフィルムに至っては5段階と狭い領域しか再現出来ません。

 このため、明るい部分を適正な明るさで表現しようとすると暗い部分が黒くツブれ、暗い部分を表現しようとすると明るい部分がトンでしまうということがおきます。このような場合には、撮影者の意図によって、どの部分を表現するかにかかってきます。この例は極端としても、どこを表現するか撮影者の意図で露出は決定されます。みなさんも、仕上がりをイメージして、作品づくりに取り組んで下さい。

工房 夢楽人
EV12
シャッタースピード
1/500秒
絞り F2.8
EV12

シャッタースピード
1/125秒

絞り F5.6
EV12


シャッター
スピード 1/30秒


絞りF11
夫婦で楽しむ写真教室