レンズにはそれぞれ固有の焦点距離があります。焦点距離とは、レンズの主点から無限遠のものを結像させた点(焦点)までの距離をいいます。例えば、虫眼鏡のようなシンプルなレンズであれば、主点はレンズの中央付近にありますので、そこから焦点までの距離を図れば焦点距離が出せます。
但し、カメラのレンズは複数枚のレンズを合成して結像しており、かなり複雑な光線で設計されています。このため、主点がレンズの前側にはみ出しているもの(テレフォトタイプと呼ばれ、コンパクト化できることから望遠レンズに多い)や、後側にはみ出しているもの(レトロフォーカスタイプと呼ばれ、広角レンズのほとんどがこのタイプ)などいろいろと作られています。
焦点距離が長いレンズになればなるほど遠くの被写体も大きく写し込むことが出来ますが、画角は狭くなり、被写界深度は浅くなります。逆に、焦点距離が短くなると遠くの被写体は大きく写せずに小さくなりますが、画角が広くなり、被写界深度は深くなります。
被写界深度:ピントが合っているように見える範囲のことです。厳密に言えば、ピントはフィルムに
平行な1つの面にしか合わないはずですが、実際にはピントを合わせた前後についても
シャープに見える場合があります。理論上はボケているのですが、ボケが極端に小さい
のでピントが合っているように見えるのです。
一般的には、焦点距離50ミリのレンズを標準レンズといい、28ミリ以下のレンズを広角レンズ、100ミリ以上のレンズを望遠レンズということが多いです。(各メーカーや、個人によって呼び方に差があります。)
そして、焦点距離が変化しない単焦点レンズと、焦点距離が連続的に変化するズームレンズに分けられます。これらの違いに加えて、開放F値の大きい小さいによって何十通りもの交換レンズが作られています。
最近のズームレンズの性能向上に伴い、単焦点レンズのユーザーは少数派となっていますが、単焦点レンズとズームレンズのメリット・デメリットを記載しますので、参考にしてください。
<単焦点レンズのメリット>
@レンズの明るさ ズームレンズではF3.5から5.6程度が普通であるが、単焦点レンズでは
超広角レンズでもF2.8は当たり前、50ミリの標準レンズではF1.2〜1.4、
85ミリ〜105ミリの望遠レンズでF1.4〜2、超望遠400ミリ以上でF2.8の
ものは単焦点のものだけです。
A画像がシャープ 単焦点レンズはズームレンズと比べると収差の低減などで設計上有利であり、
性能面で優れています。特に、周辺光量の低下や画面周辺部のシャープさ
などは、拡大すると顕著に違いがでます。
B個性派レンズ マクロレンズ(一部に望遠ズームがあります)、魚眼レンズ、シフトレンズ、
ソフトフォーカスレンズ、レフレックスレンズなどについては、そのほとんどが
単焦点レンズとなっています。
<ズームレンズのメリット>
@ズーミング自在 単焦点レンズでは、被写体を大きく撮りたいときには被写体に近づき、小さく
撮りたいときは被写体から遠ざかるなどポジションを変更するか、レンズを
交換する必要があります。
これに対して、ズームレンズではズーミングで調整するだけでよく、撮影の
ポジションが限定されている場合や、動きの激しい被写体を撮影するには
便利です。
A機材の軽量化 単焦点レンズでは、何本ものレンズを持ち歩かなければならないですが、
ズームレンズであれば1本で単焦点レンズ何本分もの焦点距離をカバー
できるので機材の軽量化につながります。
特に、撮影旅行などで機材が制限される場合にはズームレンズが非常に
重宝します。