遠近感については、絵画を描くときの遠近法が広く知られています。
遠近法を簡単に説明すると、「近くのものを大きく、遠くのものを小さく描く」というものですが、写真では自動的に遠近感が表現されます。
ただし、写真によって随分と遠近感の強弱に違い際立たせることがあります。これはレンズの焦点距離によって、写しこむ範囲が変化することによるもので、「G画角について」に解説しましたので参考にしてください。
たとえば、24ミリや50ミリで撮影した画面の一部を(105ミリ相当部分)抜き出して比較すると、遠近感に変化はありません。ですが、撮影距離を変えて、被写体が同じ大きさになるようにした場合は、24ミリでは背景が小さくなり広がりを持ち画面の奥行きが強調されますが、105ミリとなると背景が大きく写り背景の奥行き感がなくなってくるのです。
このように、被写体が同じ大きさになるように、焦点距離に応じて撮影距離を変えて撮影した場合、背景の遠近感と大きさの変化は、焦点距離の違いで随分と変化することを認識しておいてください。
一昔前に、アイドルなどのポートレートを撮影する際にプロが望遠系のレンズ(当時は300ミリのF2.8が主流)を多用して撮影していたのは、この奥行き感をなくしてアイドル(=被写体)を浮き上がらせて強調するために行われていました。
今でも、グラビアなどでは望遠系のレンズを使ってアイドルを浮かび上がらせることや、逆に広角系のレンズでアイドルの日常を撮影したような撮影方法が多用されていますので、プロが撮影したものを見る際には、何ミリのレンズでどのような狙いで撮影されたのかイメージするのも一興だと思います。